「今夜も冷えるなぁ・・・・」


ポツリと呟く。


春島を過ぎた辺りだと言っても、夜はやっぱり冷える。


見張り台に吹きつける風と、暗い空と海。



ねえ、まるでさ。



世界中で私しかいないみたいね。








sleeping beauty












「お待たせしました。お姫様」



突然かけられた声に、ハッとする。


「サンジさん・・・」


暗闇に浮ぶシルエット。


ああ、世界で一番大好きな人。


さっきまで張り詰めていた頬が、途端にほどけてゆく。


長い足が、トンっと床に着く。

片手のトレイには、水筒とお夜食。

私の隣に腰を下ろしながら、うっすらと微笑んで。


サンジさんは、手早く水筒からコーヒーを注ぐと、ソレをそっと差し出してくれる。


「いつもいつも、ゴメンね」


湯気が立ちのぼるカップを受け取る。

・・・・あったかい。


ちゃん。こういう時は、ゴメンじゃねぇだろ?」


苦笑しながら、サンジさんはウインク一つ。

それが、様になりすぎて、思わず笑みが零れる。


さっきまで、たった一人だったのにね。

淋しさがまるで嘘のようで、


「ありがと」


言って、そっとキス。

折角いれてくれたコーヒーを、零さないように、ちょっとだけ。


「・・・・よろしい。」


それでも、そう言って、まるで子供みたいに、ニカッと笑う貴方が。

愛しくて。

たまらなくて。


だから、カップを床に置いて、もう一回だけキス。

今度はちょっと、欲張って。


少しだけ深いキス。


キス・・・。


・・・・・・あれ。


いつもはもうちょこっと・・・・こう・・・・


「サンジさん?」


「ん?」


薄らと開いた貴方の瞳は、ひどく細くて。


その顔が間抜けで、噴出す。


「サンジさん、寝ておいでよ。」


眠たいんでしょう?

そりゃ、そうだよね?


「んー。でも、ちゃんと一緒に居たいからさ。」


「だって、明日も早いんでしょう?」


知ってるもの。

誰よりも早くて、誰よりも遅い貴方の一日。

今だってほら、

今にも閉じてしまいそうな瞳。


「でも、一人にしたら淋しがるだろ?」

俺のお姫様は。


そう言って、柔らかく微笑む貴方が。

やっぱり、好きで好きでたまらない。


だからさ・・・。


「今日だけだからね?」


言って、サンジさんの腕を引く。


「え?」


グラリと傾いたあなたの頭を膝に抱えて。


「私でも、あなたの眠りぐらいは守れるわ。」


ちゃん・・・」


まいったな。と、漏れる呟き。


そっとアナタの右目にキスを。


「おやすみなさい。王子様」


囁けば、ちょっと笑う気配がした。


でも、閉じた瞼は、すぐに、開かなくなる。


疲れてるんだよね?


そっと漏れだす寝息に。


起こさないように、今度はそっと、サラッサラの髪にキス。





『おつかれさま。』







朝には、キスで起こしてあげるから。ね。



お姫様のキスで目覚める王子様ってのも、いいんじゃないかな?




























ティオ様より、888キリリクでした。が。
書き上げてから、致命的なミスに気付く。 ・・・・・・リク内容はですね。

「働き者なサンジさんを膝枕してあげてお昼寝」

・・・・・お昼寝。・・・・・・お昼寝?
夜にお昼寝ってしますよね??(しません)
ちょっと、久々のドリームで大ポカ。(死) ティオ様!!ごめんなさい。土下座。
マジで、今の今まで何を考えていたんでしょう。(謎)

お待たせした上にコレって・・・打首?



「藤屋本舗」じゅんや様より、888キリリクで頂きました。
コレ、無茶苦茶好きです。はい。もうニヤニヤ笑いが止まりません。
なんていうのかしら?これこそ、夢小説って気が致します。
膝枕っていいですよね。無防備に寝入るサンジに激萌え致しました。

じゅんやさん、どうもありがとうございましたv


05/02末、閉鎖されました。お疲れ様でした。


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